#ITでサポートシリーズの中で、今回は南アフリカのマルチチェーン小売りCape Union Martのエンタープライズアプリケーションマネージャ、Renée Jain氏のお話をご紹介します。
Centric PLMで状況を見える化して、業務を効率化し、部門間の連携を強化して、アジャイルに対応できる体制を整えたことで、Cape Union Martにどんなメリットがあったのかを、Renée氏にご紹介いただきます。
コロナウィルスが世界的に蔓延する中で、PLMがCape Union Martでどれだけ大きな役割を果たしているか、詳細をご覧下さい。
エンタープライズアプリケーションマネージャ Renée Jain氏が語る ♯Centric PLMでできること
Cape Union MarのCentric Software®ジャーニー
私はCape Union Martの5つのブランド、Cape Union Mart・Old Khaki・Poetry・Tread+Miller・Keedoで使う、プランニング・マーチャンダイジング・サプライチェーンのシステムを担当しています。5つとも業種はアパレルですが、Keedoはベビー服、Tread+Millerはレザーシューズ、Old Khakiはトレンドに敏感な若者向けの商品、Poetryはレディースの商品、最後にCape Union Martはアウトドア用品やウェアを扱っており、内容が大きく異なっています。
1年前にPLMの導入をスタートして、昨年9月に最初のブランドで利用を開始し、順次各ブランドでの展開を進めていきました。そして今年2月に最後のブランドで利用を開始し、全体での導入が完了しました。
全ブランドで利用するシステムを統一しましたが、各ブランドで必要なカスタマイズを行うことで、ブランドのDNAをシステムにも引き継いでいます。現在では、調達・デザイン・購買で全社的にCentric PLMを活用しています。各ブランドのDNAに合わせてシステムをカスタマイズしながらも、導入を進める中で各ブランドのプロセスや用語、そしてクリティカルパスを統一することができました。
コロナウィルスのパンデミックが小売りビジネスにもたらす影響
多くの国と同様に、南アフリカでも店舗はクローズし、従業員は家で働いており、売上は大きく減少しています。国全体の経済が停滞する中で、オンラインでのみ販売している商品の在庫、通関で止まってしまった商品、冬が始まろうとしている中で既に販売のタイミングを逃してしまった商品を見直さなくてはなりません。そのためのMD部門・配送センター・通関業者・サプライチェーンでのやり取りは、すべてオンラインで行っています。
レビューは先週完了しましたが、パンデミックによる影響をすべて把握しきれないままで、次のシーズンのオーダーをしなくてはなりません。
Centric PLMで危機に素早く対応
突然ロックダウンになり、世界的に出入国が禁止される中で、状況に対応するためには、素早く戦略的な意思決定を行い、行動に移す必要がありました。
このような状況の中で、Centric PLMが大きな役割を果たしてくれました。調達や購買は、離れた場所にある部門が行っていたため、既にリモートで連携できる状態でしたが、パンデミックのおかげで、リモートの業務が新たなステージに移行しました。
まず何よりも、状況を見える化することが重要です。Centric PLMのおかげで、サプライチェーンのプロセス全体を見える化できたことで、どのオーダーをキャンセルし、どの商品をやめるべきかを、素早く判断することができました。それにより、当社では利益率にプラスの影響を出すことができました。ビジネスにどんな影響があるのかを正確に把握した上で、意思決定をできるかどうかが、とても重要です。
またCentric PLMを使えば、あるオーダーをキャンセルすることで、商品構成がどうなるのか、コレクションが全体として成り立つのかどうかも、簡単に確認することもできます。
リモートでの連携を強化
ITシステムを活用することで、家で仕事をする体制にも、スムーズに移行することができました。
オフィスでは、スタッフは隣りあわせで座っていましたが、今では電話会議の進め方を習得しており、サプライヤにも参加してもらっています。クラウドベースのCentric PLMは、どんなデバイスからもアクセスできるので、世界中どこにいても利用することができます。
新しい働き方にシフトしていく中で、パソコンだけでなくタブレットを使う人も増えています。ZoomとCentric PLMを使うことで、大きな問題なく、購買部門を分離することができました。
スタッフがPLMを使いこなして、業務を効率化
スタッフ全員が家で働くようになる前は、Centric PLMは社内で“バイヤー用のシステム”だと考えられていました。管理者も、PLMからのデータ抽出は現場に任せていましたが、今では自分たちで行うようになっています。これにより、次のシーズン用の新商品や、作成中の見積もり、見積りの承認状況や利益率、サンプルの発送状況など、マネージャが今チームが置かれている状況を把握できるようになりました。
ラッキーなことに、私は以前AckermansでCentric PLMを導入した経験があり、他のメンバーよりもPLMをよく理解していたので、簡単に使えるタスク管理フローを作成して使っています。
家で仕事をするようになったことで、業務をさらに効率化できたと感じています。今までは同じオフィスにいたため、Centric PLMでタスクをアサインすると、席を立ってその人に説明しに行ったりしていましたが、今ではみんなPLM内でタスクを確認しています。
家で家族の面倒を見たり、家事を手伝ったりしながら仕事をするには、業務を可能な限り効率化することが重要です。
家で働きながら業務を効率化 ♯おうちでお仕事
私はメンバーが働く時間を9時~12時、13時~15時に設定し、残りの時間は柔軟に対応できるようにしています。メンバーの中には朝型の人も夜型の人もいるので、柔軟な時間設定にすることで、家族の面倒を見ながら、楽しむための時間を確保することが可能になります。
未来を見据えてアジャイルに対応することが重要な理由
業界全体でも、未来を見据えて、コロナウィルスが収束した後に、小売りがどうあるべきかを考える時がきています。数週間のダウンタイムがあったことで、将来のことや、今回のコロナウィルスによるリセットが仕事や小売りビジネスに影響を考える、いい機会になりました。
この期間中にスローダウンしたこともあれば、スピードアップしたこともあります。今は問題を素早く解決する方法を探し出し、前に進みながら調整することが重要です。私のチームでは、特に素早い対応が求められます。ユーザーがパニックを起こすこともあるので、落ち着いて素早く解決策を提供してあげることが大切なのです。