多くのサンプルや、ファイル、発送を扱うメーカーでは、日々大量の情報を管理する必要があります。増え続ける消費者のニーズに対応するために、ブランドや小売りからはどんどん短納期を求められる中で、メーカーでは情報を確実に管理しなくてはなりません。そのためには、利益を確実に確保し、仕様書を受け取ってから商品を納品するまでのプロセスを管理するためのシステムが、必要になっています。
製品ライフサイクル管理(PLM)を使えば、商品に関するデータとやり取りを一ヶ所に集約し、リアルタイムの情報を管理できるので、メーカーの抱える課題に対応できます。個人のパソコンに保存されたメールやPDF、Excelや紙を使った従来の業務を卒業して、ユーザーフレンドリーで使いやすいシステムに情報を集約し、業務を見える化することで、生産プロセス全体を把握し、利益を管理することが可能になります。
PLMは、ブランドや小売りだけのものではなく、メーカーが導入することで大きなメリットがあります。しかし、自社が従来のプロセスを卒業してPLMを導入できる状態にあるかどうかは、どうやって判断すればよいのでしょうか?グローバルに活躍するメーカーの課題の解決をサポートしてきたCentricのアジアパシフィック地域セールスディレクターNick Weiが、PLMを導入できる状態にあるかを判断するためのポイントをご紹介します。
- 情報をしょっちゅう探しまわっている
情報が、メール・WeChat・WhatsApp・Googleドライブ・Excel・紙など様々な場所にバラバラの形式で保存されていると、必要な情報を探し出すのは大変です。サプライヤの素材コードを確認したいのに、メールが大量にあって、どのコードが正しいのかわからない…仕方なく他の手段を使って、誰かに確認してみる…
このように情報を探し回ることで、大切な時間を無駄にしてしまい、納期へのプレッシャーが高まることもあります。顧客から商品に関する質問を受けたときに、即答できるでしょうか?自信を持ってYesと答えられない場合は、情報を集約して管理する方法を検討すべきです。PLMを使えば、情報を一ヶ所にまとめることができるので、必要な情報を探し回る必要はありません。
- 2. サンプルのBOMの更新など、重要な情報を管理する時間がない
顧客と交渉を進める中で、価格や素材、装飾、仕上がりなどの商品情報に変更が入ることはよくありますが、変更が入る度にBOMも更新する必要があります。サンプル作成が集中する時期には、この変更作業を行う時間がなくて、困っていませんか?そして納品する際に、間違ったBOMを使っていたことが判明して、コストを無駄にしまったことに落ち込んでいませんか?
バラバラに管理された情報に変更を加える作業は、多くの時間を浪費してしまいます。さらに情報を一ヶ所にまとめて管理できていないと、どの情報が最新なのかわからなくなります。推測で作業を進めるのは、リスクが大きすぎます。多くの部門やサプライヤとやり取りをしながら、大量の情報を扱う場合は、全員が同じ情報を参照できる状態にすることが重要です。
BOMを一ヶ所にまとめて管理している状態を想像してみてください– PLMを使えば実現できます!
- もっと多くの商品を扱いたいけど、生産能力が追い付くかが心配
これ以上商品を請け負う生産能力がなく、追加の人員を雇う予算もないからといって、新たな仕事を断ろうとしていませんか?
ワークフローが確立していない状況では、生産能力を正しく把握することはできません。PLMを使えば、SMVに基づいてワークフローを管理して調整し、より多くの要望に対応することが可能になります。そうすれば、人員を追加することなく、新規のオーダやスケジュールの変更に対応できることがわかるはずです。
さらにPLMを使えば、既存のデータを使って、仕様書やBOMを作れるので、商品の追加も簡単です。サプライチェーン全体の状況を正確に把握することで、どこを削減すべきなのかも、時間をかけずに簡単に見つけることができます。様々なの情報を確認できるので、例えば生地の歩留まりを上げる必要があることが判明するかもしれません。無駄な時間をなくすことで、スタッフが新商品の追加など、より価値の高い作業に集中して取り組むことができます。
より多くの業務をこなすために必要なのは、時間であって追加の人員ではありません- 適切なPLMを選べば、無駄な時間をなくして、より多くの時間を有効に活用できるようになります。
- 受け身の対応が多く、デザインや商品開発など価値ある作業にかける時間がない
先進的なメーカーでは、デザイン部門を設置し、顧客と一緒にデザインを行っています。今後はメーカーがデザインのノウハウを提供することが当たり前になっていくため、デザイン部門がないことで顧客が離れてしまったり、売上を伸ばすことが難しくなる可能性があります。
さらに、消費者は商品がよりスピーディに提供されることを求めており、サステナビリティも重視していますが、値上げは受け入れてくれません。これらのニーズに対応するためには、素材や商品のリサーチや開発に投資することが、これまで以上に重要になっています。しかし、それが重要だとわかっていても、納期を守るために日々の業務に追われている状況では、未来のことを考える暇もなく、現実味も感じられません。
PLMを使えば、バラバラに管理された情報を探したりする無駄な作業をなくして、新素材のテストやコストの削減、品質の向上、SKUの追加、短納期への対応などより価値が高く、ビジネスの成功に直結する作業に時間をかけることができます。
- 本来の業務ではなく、ミーティングに時間を使ってしまっている
自分の仕事をしたいのにミーティングから抜けられなかったり、ミーティングが終わった後に、こんなに時間をかけなくても意思決定できるはずなのに…と思うようなことはありませんか?意思決定のプロセスや最新の情報のありかが明確になっていないと、ミーティング中に情報を共有し、意思決定を行うことになります。
PLMを使えば、常に最新の情報を管理することで、スタッフ全員が変更を一目で把握できるので、ミーティングに多くの時間を使う必要がなくなります。例えば、ニューヨーク・香港・ロンドンに営業拠点があり、工場が中国・ミャンマー・カンボジアに、さらに生地のサプライヤなど社外のパートナー企業が別の場所にあるような場合でも、PLMはロケーションに関わらず活用することができます。
例えば、顧客からボタンの代わりにチャックをつけて欲しいというリクエストがあったとします。従来は、このリクエストにどう対応するかを話し合うために、時差を考慮してミーティングを設定し、他のサプライヤに依頼する必要があるのか?この変更が納期に影響するのか?を確認する必要がありました。しかしPLMがあれば、リアルタイムの情報を管理できるので、様々なオプションを検討でき、スピーディに意思決定して、全員に共有することができます。
PLMがあるほうがいいと思いませんか?
- 最後の最後に変更が入ったり、プロセスを変更したりすることを恐れている
地政学的な問題や顧客の要望、トレンドの変化などで業界が常に変わり続ける中で、競争力を維持し続けるためには、変化に柔軟に対応することが求められています。すべてのプロセスがうまくリンクしていない状態では、メーカーがリスクを最小化しながらスピーディに対応するのは難しいのが現実です。ちょっとした変更が入った時に、5ヵ所の情報をアップデートする必要があり、どれかを忘れたりしないことを祈っていませんか?
PLMを使えば、ワークフローを調整して情報を変更する作業も簡単にでき、ERPやCADなどのシステムとデータを連携することも可能です。そして、変更作業も1回で済むので、同じ情報を何度も入力する必要もありません。
さらに、デザインをパターンのライブラリや業務情報、SMV値とリンクして、ナレッジベースを構築することもできます。顧客ごとのグレーディング表や仕様書のフォーマットを顧客のナレッジベースとして管理し、すべてを一つのワークフローにまとめて、要望にスピーディに対応することが可能です。
7. Customer relationships are difficult and trust is running thin
7. 顧客との関係維持が難しく、信頼が薄れている
顧客は、納期通りに予算内で品質基準に合った商品を納品してくれることを期待しています。納期が遅延することを恐れながらも、確実に守れる自信のない納期を確約したりしていませんか?そのようなやり方では、スタッフに大きなプレッシャーとストレスを与えてしまうだけでなく、確約した納期を守れなくなると、信頼を失う可能性もあります。
顧客やサプライヤに対する信頼性や透明性を向上し、納期を管理するための方法を模索しているなら、PLMを導入することをお勧めします。
PLMを導入した企業の多くは、すぐにその価値とメリットに気づいています。ワークフローを見える化して、すべての情報や業務をリンクできるので、納期が遅延することもなくなり、顧客に満足してもらうことができます。またサプライヤやパートナー、顧客の情報をまとめて管理してレポートを作成できるので、無駄な作業や時間を削減して、よりアジャイルにスピーディに変化に対応することが可能になります。
あなたもPLMへの第一歩を踏み出しくなりましたか?
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